最近見たアニメ
サクラダリセット
2017年4月期
不思議な能力を持つ人達が済む街、桜田で起きた事件を、時を遡って紐解いていくサスペンスファンタジー。
半年くらい前、美容師さんが「タイムリープものが流行っている」と言っていた。確かに、2016年以降かなり増えたように思う。
2016年のアニメだけでも、orange、僕だけがいない街、Reゼロ、Rewriteの4作品あり、映画や他の媒体でも目立っていた。
しかしながら、アニメファンの自分からすると「タイムリープ」や「パラレルワールド」といった設定は、ファンタジーの王道要素であり、これが読者を引き込みやすいというのは自明である。
なので、それに今頃気付いたのかと言う感じ。
漫画、アニメ、ラノベといったオタク文化の進化が、一般小説や映画、ドラマといった、リア充御用達のメディアの進化を大きくリードしているのではないかと、私はそう感じている。
その証拠に、最近は、漫画原作の映画やドラマが非常に多い。
さて、話を戻そう。
2016年以降にタイムリープものが増えたが、自分的にタイムリープもので一番ストーリーの引き込みが強かったのは、2015年放送のアニメ「シャーロット」。
クオリティの高さに加え、タイムリープが流行っていなかった2015年に放送されていたというのが、時代の先を行っているように思う。
ちなみに、本作品とシャーロットは作風がかなり似ているので、作者が「シャーロット」に影響を受けて作ったのではないだろうか。
とまあ、そんなこんなでタイムリープについてアツく語ってしまったが、そろそろ本作品について書いていく。
他のタイムリープ系作品との違いとしては、「時間を遡っているわけではなく、人や空間を過去の状態に再配置する」という点が新しい。
また、全体的に能力がかなり凝っている点。
例えば、冒頭で述べたタイムリープ作品では、能力や設定は非常にシンプルで、わざわざ解説しなくてもストーリーを追うことで自然と理解出来る。
しかし本作は、ハンターハンターの念能力ぐらい凝っているため、能力を理解出来ず、序盤は話についていけないこともしばしばあった。
一番メインとなるハルキの能力につしても、制限が細かいため、一度聞いただけでは覚えられない。また、物語のキーとなる村瀬の能力については、結局最後まで分からず。
原作を端折っているのかも知れないが、アニメであれば色々やりようはある。
最近は間に解説番組を挟んだりすることも多いので、解説番組で解説するなり、進撃の巨人のように、CMまたぎで解説文を載せるなどすれば親切だった。
また、キャラクターの名前が非常に覚えにくい。
通常、キャラクターの名前は覚えようと意識しなくても、特徴的な名前であったり、キャラクター同士が名前を呼び合ったりすることで、自然と覚えてしまうものであるが、本作はそうではない。
特にメインヒロインである春埼美空は、名字で呼ばれたり、名前で呼ばれたりする上、名字も名前っぽいので非常に紛らわしい。
また、全体的に特徴的な名前ではなく、普通っぽいこと。
前半は特に、お互いに名前を呼び合うことも少ないので、誰かの話題をしていても、誰のことを言っているのか分からないという。
これは正直、アニメとしてはかなり致命的だ。
まあこれも原作を端折っているために起きている可能性もあるが、そこはアニメ製作時に台詞を修正するなどして対処すべき。
ストーリー自体は、奥深く、能力の使い方もうまいので、非常に良く出来ていたのだが、この辺りのマイナス要素が目立ったことにより、ストーリーの引き込みが弱くなってしまったのが非常にもったいない。
これがなければ、シャーロットを抜けたかも知れないが、結果、2クールフルに使って描いたシナリオが、1クールしかないシャーロットに劣ってしまう結果となった。